ジャンプ感想[20号]

銀魂

 シリアス展開はつまらないというのが銀魂の定説ですが、今回は例外的に面白いです。華陀と平子が魅力的だからでしょうか。特に華陀が天人だったという展開には興奮しました。最近、天人の影が薄くてどうしたのかなと思っていましたので。夜兎が出るには出ていたのですが、春雨などの天人らしい天人は出てきてなかったですよね。空知先生が設定を忘れていなかったのがうれしいです。
 次郎長はいい人だったみたいですが、お登瀬さんを斬りつけたことはどのように正当化するのでしょうか。華陀に狙われる前に退場させたかったから?それにしては荒療治に過ぎると思いますが。

ワンピース

 間違いなく今ジャンプで一番面白いワンピースですが、今週もすごかったです。新展開に向けて力を蓄えている様子で、見ているこちらも興奮を抑えることができません。今後は、ルーキー達がしのぎを削る世界になっていくんですかね。ルーキーはみんな魅力的ですので、そうした展開は大歓迎です。
 ハンコックが尊大なのもいいですね。怒られてシュンとするペポもかわいいです。あとは、七武海の勢力図が塗り替えられつつあるところも興奮します。モリアとドフラミンゴが戦うところなんて、興奮せざるを得ないですよね。ドフラミンゴが勝つ流れになっていますが、僕はモリアも相当優れた能力者だと思っているので、ここで単に退場するのではなく、いったん七武海から退いてあとから盛り返す展開を期待しています。ここでドフラミンゴが勝つのはしょうがないです。一番得体の知れない存在ですからね。

ナルト

 ナルトは正直、ストーリーがどうなっているのかよくわかりません。適当に読んでいるつもりはないのですが、なぜなのでしょうか。政治的駆け引きを展開していますが、いまいちスマートさを感じられません。岸本先生としては、ナルトに知的要素を盛り込もうとしているのでしょうが、空振りに終わっているような気がします。この点は、リリエンタールを見習って欲しいですね。平易・簡潔な文章で、きれいに議論を展開していくスキルにはいつも驚かされています。

ブリーチ

 あまりに長すぎるので、飽きています。こんなにストーリー進行が遅い漫画も珍しいのではないでしょうか。描写の一つ一つはけっこう迫力があるのですが、それだけではとてもこの問題をカバーすることはできません。何もかもどうでもよくなってしまいます。

ぬらりひょん

 絵はうまいですよね。展開は…。茨木童子の来歴描写は雰囲気があっていいなと思いましたが、まだ話に引き込まれるというレベルにまでは達していません。なぜかはよくわからないのですが、続きが気になる漫画ではありません。

リボーン

 僕はリボーンが苦手なのでどうにも。バトル展開にまったく迫力がないし、ストーリーにも引き込まれるところがないので、どうしようもないなという印象です。しかしジャンプではそれなりに人気なんですよね。なぜこうなるのかよくわかりません。婦女子のパワーが想像以上に強いということなのでしょうか。

めだか

 僕は西尾先生がけっこう好きなので、めだかも楽しく読んでいます。The西尾維新といった感じで、めだかから西尾先生を知った人にも安心の展開です。他の作品もだいたいこういう感じです。各キャラクターのオンリーワンを定め、それをガンガン強調し、さらに天才・異能を極限まで持ち上げて、他キャラとの差別化を図ります。何でもない人間が実はすごいとか、天才の中にも細かく序列をつけるというところが目立った特徴でしょうか。
 瞬発力のある面白さなので、サブカルとして優れているなと思います。

バクマン

 僕はバクマンでは、新妻先生と、平丸先生と、静河くんが好きです。新妻先生は天才だし、すかっとして気持ちのいいキャラクターだからです。平丸先生は、ダメ人間に見えて、漫画を書かせるとすごい作品をポロっと作ってしまうところが面白いです。静河くんは、ひきこもりでありながら、一生懸命頑張っているところが好きです。作品も他人にこびる感じではありませんし、好感が持てます。
 逆に、サイコーとシュージンはあまり好きではありません。僕は他人の手のひらの上で踊るのが苦手なので、サイコーらのように、狙ってやられると途端に引いてしまいます。実際の漫画家でもサイコーらのような方々はたぶんいっぱいいて、僕もそうした方々が書いた漫画を面白く読んでいることはあると思うのですが、それも制作状況を読者が知らないから楽しめるんですよね。サイコーらのスタンスは、どうも読者が操られているようで、好きになれません。
 あとは、港浦さんら編集者が上から目線なのも気に入りません。編集者は漫画を書くことはできないのですから、あくまで作者の補助に徹するべきだと思うのですが…。上司と部下みたいな関係に見えて、いささか気持ちが悪いです。断定的にものをいうところも苦手です。

保健室

 オチをうまくつけられたらもっと面白くなるのになと思います。最後の最後でしまらないですよね。絵がとてもうまいのに、もったいないなと思います。ハデス先生をもっと活躍させるべきですね。あとは、病魔のイラストがグロテスクだったり、奇抜に過ぎたりするので、ここをもっと抑え気味にした方がついていきやすくなるんじゃないかなと思います。藤くんについた病魔など、どうしてここまでグロい姿にしてしまうのかなと思いました。グロくするだけの意味があるのならいいのですが、それが人気に結びついているのかというと、かなり疑問です。

サイレン

 普通に面白いです。安心して読めますね。

ロックオン

 空気漫画ですよね。何がしたいのかよくわかりません。このままだと打ち切り一直線だと思うのですが…。ひねりがあるのかなと思いきや、なんのひねりもなく話を終わらせてくる辺りが、悪い意味で度肝を抜かれます。ニコユキが暴漢に誘拐されたときに、ニコユキを叱るシーンとか。
 感動しなければならないのでしょうか。

四ッ谷先輩

 一見してロジックが明らかじゃないので、読んでて疲れます。労力を払ったわりにはさほど面白くないので、がっかりしてしまいます。焼き魚の骨をせっせととって、さて食べぞると思って食べたらたいしたことがなくてがっかりしたとか、そういう感じです。
 これでは魚を食べる価値はないなという…。

黒子

 ここまで「スラムダンク」をしていて、井上先生に怒られないのでしょうか。二番煎じはそれだけでつまらないので、よほどその他の展開が面白くないと素直に楽しむことは難しいです。もっととんでもキャラを出せばいいんじゃないかとも思うのですが、どうでしょうか。

ハンター

 ゴンに何が起こったのでしょうか。スーパーサイヤ人的な展開にはしないで欲しいですね。なんでもありになってしまうとハンターはつまらなくなると思います。

リリエンタール

 リリエンタールは終わってしまうのでしょうか。もしそうだとしたら、本当に悲しいです。ジャンプの中でもかなり面白いからです。
 特に秀逸なのが、セリフ運びですよね。簡潔な対話でまっすぐに結論に向かっていく様がとても好きです。令一郎とシュバインのコンビが特に素晴らしいです。さくらもいいですね。とても小学生とは思えない発想にいつも感心しています。そこいらの大学生よりも間違いなく頭がいいと思います。末は東大生でしょうか。令一郎が使えそうだと考えるのもうなずけます。
 とにかく、リリエンタールは終わらせないで欲しいです。この展開からさらに盛り返すのは相当困難だとは思いますが、そこをなんとか。終わらせる順番としては、ロックオンと四ッ谷先輩がありますので、今リリエンタールを終わらせる意味は小さいと思います。編集部の賢明な判断に期待しています。