空打ち論争について

最近、マキシィの一部で空打ちについての議論が盛んです。いい機会ですし、僕も少し空打ちについて考えてみたいと思います。


空打ちとは、勝敗が決したにもかかわらず、無意味に計略を使用することをいいます(空打ちをする人の主観は考慮されていません)。


これがなぜ問題になるかというと、無意味に計略を使うことが相手を挑発することにつながるんじゃないかと考えられるからです。
ゲーム終盤で、負けが決まってしょんぼりしているときに、いきなり相手の張松が城から出てきて「ほっほーい(ry」なんてされると、怒ってしまう人も多そうですよね。
同じように、せっかく気持ちよく戦って勝ちが決まったのに、最後に相手がヤケクソ気味に計略を使ってくると、いい試合をしてきたのが台無しにされたと感じる人もいそうです。
空打ち反対派は、概ねこういう弊害を唱えて空打ちを攻撃しています。


全体的な傾向としては、空打ち否定派が圧倒的に多いです。空打ちを批判するランカーもたくさんいます。
肯定派(黙認派)もちらほら見られますが、多くは隠れキリシタンのごとく存在を表に出すことをはばかっており、声高に空打ちを肯定するような意見を表明することはありません。ランカーではfan114さんくらいでしょうか。



僕も空打ちについていろいろ考えてみましたが、結局は肯定派(黙認派)になりそうです。
確かに空打ちは挑発目的で使われることが多いです。しかし、そうでないことも十分ありえます。
例えば、僕はいまだに計略カットインを見るだけで脳汁がでるタイプの人間です。そういう人間からすると、士気の許す限り1回でも多く計略を使いたいんですよね。
このように、挑発目的以外で空打ちをしたがる人間もいます。空打ち=挑発という方程式は必ずしも成り立ちません。


そうすると、今度は「空打ちをする人の権利」というものを考慮しなければならなくなってきます。挑発目的と断じることが出来ないからです。
そこで、「空打ちをする権利」なんてものがあるのか、ということが問題になるのですが、これはあります。理由は簡単で、プレイ料金を自分で支払っているからです。


もし仮に、プレイ料金を対戦相手に払ってもらっているなら、これは空打ちをするわけにはいきません。というか、この場合は相手の意向に反することはできませんので、最悪の場合相手が負けろといえば負けなければいけません。お金を恵んでもらっているのだから、ある意味当然ともいえます。


しかし、普通はこういうことはありません。プレイヤーは自分でお金を払って三国志大戦をプレイしています。
そうすると、別に相手の意向に従う必要はありません。自分の身銭を切ってプレイしているのですから、どのようにプレイしようがこちらの自由です。
例えば、自動販売機でジュースを買って飲んでいるところに、突然「お前がジュースを飲んでいるのを見ると気分が悪い。飲むのをやめろ」といわれることを想像してみて下さい。みなさんはどのように対応するでしょうか。
たぶん、ほとんどの人は「いや、俺が買ったジュースだから、飲もうが飲むまいが俺の勝手じゃん」というんじゃないかと思います(一方で、これがそのクレームをつけてきた人におごってもらったジュースなら、しぶしぶながら飲むのをやめるんじゃないかと思います)。
ここでいう「ジュースを飲む行為」は、そのまま「空打ち」に置き換えることができます。


これに対しては、ジュースを飲む行為は実際には人を不快にさせないし、不快に感じる人がいたらそれはその人の感じ方がおかしいだけで、空打ちについて考える例としては適切ではない、という反論が考えられます。
確かに、ジュースを飲む行為それ自体は人を挑発する行為とは考えれていませんし、実際そのように受けとる人も少ないでしょう。
しかし、すでに述べたように、空打ちも必ずしも挑発を目的として行われるわけではありません。そういう意味では、ジュースを飲む行為との差異は程度の問題にすぎず、根本的には同質の問題と構成することが出来ます。


そして大前提として、プレイ料金を自分で支払っている以上、どのようにプレイするかはその人の自由です。自分が空打ちをされると不快に感じるからという理由で、これを覆してまで相手に自分の好みのプレイ(=空打ちをしない)を強要するのは、自己が処理できる権限の範囲を完全に逸脱しています。


というわけで、僕は空打ちは「してもいいよ派」です。もっと言うと、「実際はカッとなるけど空打ちをやめろとは言わないよ派」ですね。
なんのかんの言って、やっぱり空打ちは挑発目的で行われることが多いんじゃないかと思います。でも、それを追求する術がない以上、挑発だと断じて空打ちをする人を正当性をもって批判することは絶対に出来ません。
というか、よくよく考えると、仮に挑発目的で空打ちが行われても、こちらが正当性をもって批判することは不可能ですよね。相手はお金を払っている以上、そうする権利があるのであって、さらには最高機関であるSEGAもそれを禁止していないのですから。
ここで自分のお気に召さないプレイをしないことを強要するのは、これはもう「ゆとり」と言われても仕方ないんじゃないかと思います。



あと、空打ち否定派には空打ちをした君主をマキシィや2chで晒してしまう人がすごく多いのですが、これはどうなんでしょうか。
個人的には、空打ちをノーマナー行為と評するまではまだしも、これを晒しという明らかなノーマナー行為で返したのでは、空打ちを正当性をもって非難することはできないんじゃないかと思います。五十歩百歩というところですね。