2008年ジャンプ第8号感想

・ワンピース
「このおれの命一つで!!勘弁してもらいてェ!!」


ゾロがルフィの身代わりになりました。バーソロミューくまも承諾し、結果的にルフィは助かりました。
しかし、くまもこんなメチャクチャな要求をよく飲んだものですね。ルフィを殺すよう命令されているのに。これでゾロが死んだのならまだしも、結局ゾロも耐え切ってしまって誰も死んでいないのです。
これで世界政府が納得するとは到底思えません。くまは政府にどのように弁明するのでしょうか。


・ブリーチ
「私は完璧を嫌悪する」


学問が極まると研究者はおまんま食い上げなので、マユリのこの言い分は至極もっともです。


しかし法学なんてものを扱っていると、どうしても学問の存在価値、というものを疑ってしまいます。
というのも、法学の分野ではいわゆる新発見というものは少なくて、研究分野の進歩というものが理系のそれに比べて圧倒的に鈍いわけです。
理系なら、「新しい物質の発見」というところが、法学なら「新しい発想の発見」ということになります。とんち合戦みたいなところがあるのです。
そして、そうした発想というものは、演繹的に導かれるというよりも、多数意見の集合として、帰納的に導かれることが多いです。理論によって正当性を担保するのではなく、権威によって担保する印象ですね。
もちろん、一定の理由付けは必ず付されているのですが、それが正しいかどうかというのは、多分に権威によります。
有力学者が賛同した場合に、初めて有力説として世で認められることとなるのです。
そうしたことが積み重なって法学という学問は成り立っているのですが、これは僕にすれば、子供が砂場で山を作っては崩し、新たな山を作って遊んでいるがごとく、意義に乏しいことに思えてなりません。


書いてて思いきり混乱してますが、どうも文系の学問というのは、学問というよりは趣味の領域に属するものなんじゃないか、という疑念がぬぐえません。
まぁ法学はまだマシな方かもしれません。ここで行われた研究が、判例に影響を与え、ひいては実際の権利関係に影響を与えることになるので。
文学などは、これは学問というよりは趣味でしょう。


・ナルト
話が遅々として進みませんね。
幻術合戦は飽きてしまいました。


・テニス
最近は、ノリについていくのがつらいです。
そもそも、テニスは普通に読んだら、これは駄作以外のなにものでもありません。
動きがまったく感じられない、マネキンのようなキャラ。支離滅裂な展開。どれをとっても二流です。
そんなテニスがこれまで生きてこられたのは、テニスが読者の間のコミュニケーションツールとして優れた機能を持っていたからです。ツッコミ合戦とか、おもしろ考証などを通じて、読者同士が楽しくコミュニケーションをとれたわけですね。


テニスはジャンプ誌上で読むぶんには面白いけれど、コミックスで読むと全然面白くないというのは、わりと広い範囲で共有されていた評価です。
コミックスで読む段階では、コミュニケーションツールとして一度消費されたものが上梓されているので、残りかすを読んでも面白くないというのは当然でしょう。


コミュニケーションツールとして楽しめるうちはこれでいいのですが、一度冷めてしまうとテニスをマンガとして楽しむのは困難です。
最近は、越前が突然記憶喪失になったり、トンデモ技が過剰に氾濫してしまったりと、理不尽な展開が続き、少し「行きすぎ感」が高まりすぎてしまいました。
僕の素養で耐え切れる、臨界点を突破してしまった印象です。
(くさりかけのバナナが本格的にくさってしまってもう食べられないという、そんな状況でしょうか)


そこへきて、今回の浦山しい太の登場ですからね。
普通の漫画家がこんなのやったら、めちゃくちゃに叩かれて終わりですよ。
一度臨界点を超えてしまったが最後、許斐先生とはいえ厳しい評価をせざるを得ないです。
自分の狭量な素養には残念としかいいようがありませんが。


・私立ポセイドン学園高等部
あまりにひどいです。
これまで読みきり掲載にとどまる生殺し状態だったので、ここいらで10週連載させてガス抜きをしようという編集部の試みでしょうか。
週刊連載のクオリティとは考えられません。
はやく打ち切って欲しいです。


・リボーン
悪役の書き込みが甘い気がします。
美形キャラを書くのはうまいですが、それ以外のどうでもいいキャラもしっかり書いて欲しいですね。
ほんとうにどうでもいいので、悪役がひとりだけ浮いてしまっている感じです。
きっと天野先生もどうでもいいと思ってるんじゃないでしょうか。仕方なく書いたみたいな。


・マディ
絵が上手いと思います。
マディのキャラも面白いですし、新連載で一番いいですね。


・ディグレ
絵はきれいですが、構図のとり方がヘタだと思います。
誰が何をしているか、どういう状況になっているのかがひどくわかりづらいです。
読んでてストレスを感じるマンガですね。


スケットダンス
危うい面白さだと思います。うまく説明できませんが、常に綱渡りをしているかのような、不安な印象を受けます。
でも、絵もきれいだし、台詞回しもしっかりしているので、ストレスなく読めます。
読み返すのはこれとネウロジャガーくらいです。
今回も面白かったですね。ヤバ沢さんが好きです。


・エムゼロ
毒にも薬にもならないですね。
絵はきれいですが、それだけです。


ネウロ
普通に面白いです。
やや失速しているというか、読者との距離を測りかねているかのような微妙な違和感があるのは否めません。
でも、もとがいいので全然いけちゃいます。
読んでて楽しいです。


・読みきり「オバケライフ」
ちょっと面白かったです。
おばけも怖かったですし。


オチで落とせてないのが残念でしたが、描写が生々しいので読み応えがありました。


・ムヒョ
特に言うことはありません。
ロージーが泣いたらムヒョが復活しましたが、あんまり感動しなかったです。
これはきっと、ロージーのキャラとしての重みが絶対的に足りず、彼が泣くことになんらの価値・意味を見出せないからだと思います。


幽遊白書で桑原が泣いたときとは対照的ですね。


ジャガー
いつも面白いマンガを描いて下さってありがとうございます。