三国志大戦における情報収集―書籍編―

前回はwebサイトだったので、今回は書籍を紹介します。


アルカディア
アーケードゲームの総合情報誌です。
今はなきゲーメストに由来するもので、この業界の情報誌としては最も古参で、かつ有名です。
三国志大戦に関してはカラーページが割り当てられており、編集部が力を入れていることがわかります。


記事を取り仕切っているのはおそらくfan114さんでしょう。
fanさんは、いうまでもなく三国志大戦界でもトップクラスの実力者なので、情報の信憑性は一定程度担保されています。


記事の内容ですが、注目カードやデッキの紹介、その対策などのオーソドックスなものから、fanさんのコラムや投稿画像のお披露目といったサブカル的なものまで、幅広いです。
また、折をみて行われる計略範囲や効果時間の検証は、情報としての価値が高く、読み応えがあります。
その他、上位プレイヤーへのインタビューや座談会も頻繁に行っていますので、上位陣の思考方法や評価を知ることも可能です。


総じて隙がない印象ですね。
情報誌を一冊買うとしたらこれでしょう。


②ゲームジャパン
こちらはアーケードゲームではなく、トレーディングカードの情報誌です(他のジャンルを扱うことも多くなってきましたが)。
三国志大戦は一応トレーディングカードゲームであり、また実際の人気もかなり高いですので、雑誌の購買層の拡大を狙って取り扱い始めたというのが本当のところでしょう。


記事を取り仕切っているのは国姓爺さんです。
三国志大戦1でいえば、開幕終了デッキを開発したことで有名ですね。
しかし今のところ、国姓爺さんは全国ランキングには現れていません(サブカードに移行したのかもしれませんが)。
そのため、今日の三国志大戦についてレクチャーするには、人的信頼という面でfanさんに比べてやや不安なところがあります。
ただ、記事は国姓爺さんだけではなく、アシミニさんや○○さんも関わっているようなので、そこで補っている形でしょうか。


記事の内容ですが、流行デッキの紹介など、オーソドックスなところは押さえています。
ただ、アルカディアに比べ、日本語が不自由な印象が否めません。句読点を打ち間違えていることがありますし、文法的にありえないような文章を書いているところも多いです。
特に目を凝らさずとも、適当に読んでいてこれらがひっかかってしまいます。正直読みづらいですね。
個人的には推敲をあまりしていないのが原因だと思いますが、本当のところはどうなんでしょうか。
webサイトのような無料で閲覧できる情報媒体ならまだしも、書籍のように購入を前提としている媒体を利用するからには、このあたりはしっかりして欲しいところです。


あとは、毒にも薬にもならない4コママンガを毎ページ掲載しているのですが、これはやめて欲しいですね。
箸休めを作りたいのはよくわかるのですが、作るなら作るでちゃんとオチている作品を作って欲しいです。
今のところ、「とりあえず置いておきました」的な、空気としかいえない内容になってしまっているので、まったく存在価値を見出せません。
そのスペースを使って、計略の効果時間の検証などをやってくれたほうが、何倍も有意義です。


苦言ばかり述べてしまいましたが、いいところもあります。
まずは、今はもうなくなってしまいましたが、アシミニさんによる初心者講座が開かれていたことですね。
初心者講座とはいっても、「突撃状態の騎馬は槍兵に迎撃をとられてしまうぞ」とか、そういった取説的な内容ではありません。
低武力弓を使った具体的な守城方法や、復帰カウント数の把握を前提とした立ち回りの方法など、実践的なプレイング指導が行われます。効用をカウントなどの具体的な数値で表すことが多かったので、客観的な情報として非常に信頼度が高かったです。
アルカディアでも、計略に主眼をおいた「戦略」についての解説はよくやりますが、こうしたプレイングスキルに関する解説は比較的少ないです。そういう意味では、かなり貴重な情報だったと思います。


あとは、時々行われる、個別カードレビューが秀逸ですね。
10点を満点として各武将に点数をつけていくのですが、○○さんや、アシミニさん、国姓爺さんといった上位のプレイヤーが評価を行うので、かなり信頼度の高いカード評価となっています。
点数に付して小さなコメントもついており、カードの分析に非常に役立ちますね。
ただ、こちらでも、国姓爺さんのコメントはやや日本語が不自由な感が否めません。読んでいて頻繁にひっかかります。他の二人のコメントと並べて掲載されているので、なおさらですね。
情報の質は高いのですから、あとはとにかく推敲をしっかりして欲しいです。


③攻略本
ある程度情報が煮詰まってきたところで、上に述べた雑誌の編集部が攻略本を作ります。
カード評価や計略情報など、有益な情報がたくさん掲載されるので、便利なことは便利です。
ただ、当然のことですが、バージョンアップをしたら全く意味のない情報になってしまいます。
情報が煮詰まらなければ攻略本は作れませんが、そのころには大抵の場合、バージョンアップの足音が近づいているので、攻略本を発行してすぐさまバージョンアップ、という悲惨な結果になることがけっこう多いです。
ということで、三国志大戦では攻略本を買うのは原則として得策ではありません。
お金がたくさんある人や、攻略本を読み物として楽しみたい、という人なら買う価値があるんじゃないかと思います。



書籍はwebサイトに比べて、情報の鮮度が圧倒的に落ちますので、情報の収集元を書籍に一元化するのは危険です。
ただし、情報の正確さは一番ですので、webサイトと平行して利用するのがベストでしょう。