∀ガンダム:好きなキャラTOP5

5位:アグリッパ・メンテナー


       


 まず驚くのは声です。マリガン中佐と同じ声というのは、視聴者にとっては予想外のことではないでしょうか。黒幕にしては、あまりにひょうきんな声ですからね。個人的には、バスク・オムみたいな声を想像していたのですが。
 黒幕ではありますが、一概に悪人とはいえません。基本的には、ムーンレイスが今後も平和に暮らして行くにはどうすればいいか、ということを真剣に考えているからです。闘争本能を極度に恐れていますが、これは黒歴史世代だからでしょうか。だとすれば彼の行動にもそれなりに納得できます。黒歴史は本当にひどいですからね。
 しかし、地球帰還作戦を阻止するためとはいえ、コレンを地球に送り込むのはどうなのでしょうか。闘争本能のかたまりのような男だと思うのですが。地球帰還作戦の危険性に比べれば、微々たる驚異と言うことなのでしょうか。
 ギンガナム隊が暴れ出すのをみておろおろする様が意外とかわいかったり、ディアナを議論で打ち負かしてしまうところがちょっとかっこよかったりと、意外な面白さに満ちているキャラです。黒幕だが、憎めないキャラ。∀ガンダムの牧歌的雰囲気がしっかり反映されています。


4位:グエン・サード・ラインフォード


       


 どちらかというと、嫌いな人が多いと思います。領主の息子だけあって、すこし尊大なところがなくもないですし。ギンガナムと手を組んでしまったのも、そうした評価の原因になっていると思います。
 しかし、未開の文明人である地球人には珍しく、理知的で近代的な発想をすることができる男です。グエンがいたからこそ、ディアナ・カウンターとまともに交渉をすることができ、地球帰還作戦の完遂を阻止することができたといっても過言ではないでしょう。アメリアの領主たちに任せていては、すぐに交渉は決裂し、ウォドムのビーム兵器であっさり制圧されてしまっていたと思います。グエンの存在は、地球人にとって非常に貴重なものだったといえるでしょう。
 ギンガナムと手を組んだのも、そう悪い発想ではありません。ターンXが起動してしまった以上、地球の戦力でギンガナム隊を止めることは非常に困難です。そうした戦力分析を的確に行い、最善手を選び出す政治的手腕は、高く評価されるべきだと思います。ジョゼフなどは、ムーンレイスと手を組んだところだけをとらえて、激しく反抗したりするんですがね。どちらが地球のことをしっかり考えているのかというと、ジョゼフはちょっと旗色が悪いように思います。
 ロランに女装させたりするところが生理的に無理、という人もいます。しかし、それも一応は堅実な政治的意図によるものですし、そこに過剰反応することもないのかなと思います。


3位:ロラン・セアック

     


 ガンダムシリーズの主人公の中では、一番まともです。本当に品行方正。一番安心してガンダムを任せられます。
 特にすごいのは、ずっとソシエの面倒を見続けることができるところ。ソシエ暴走→「お嬢さんは下がっていてください」という展開が、何度あったかわかりません。ロランがいなければ、ソシエなどとっくの昔に戦死しているでしょう。にもかかわらず、ソシエは幾度となくロランに暴力をふるってしまうわけです。考えるより先に手が出るというのは、ちょっと積極的な評価をするのは難しいですね。これに対しても、ロランは特に怒ることなく、逆にソシエをいさめようとしたりします。本当に頭が下がります。
 品行方正なだけではなく、やるときはやる男です。自分の意思で行動を起こすことができるので、ミリシャにとっては非常に重要な戦力だったのではないでしょうか。言うことはきちんと言うので、なめられるということもありません。こうしてみると、本当に完璧ですね。


2位:ギム・ギンガナム

     
     


 キャラクターもさることながら、声優の子安さんとの相性が最高です。これほど生き生きとした演技をすることができるのは、子安さん自身ギムというキャラクターを楽しんでいるからでしょうね。作品の中でも、富野節が色濃く表れているキャラなので、破天荒を通り越して意味がわからないことも少なくありません。それでも引き込まれてしまうのが本当に不思議です。人が感動するには、理屈など必要ないということの証左だと思います。
 作品ではただ暴れているだけですが、それだけで面白いキャラです。


1位:ディアナ・ソレル


     


 この物語の主人公です。
 性格がいいのはもちろんですが、不幸な運命の下、懸命に生きようとする姿が特に印象的でした。アグリッパに命を狙われるわ、ウィル・ゲイムの死に直面するわ、ミスルトゥは破壊されるわで、もう目も当てられません。そんな状況の中でも、一生懸命なんですよね。一方で、女王としての毅然とした側面も持っており、そのギャップがまた絶妙です。
 自分の力では対応できない危難に対面することが多々ありましたが、対応できないなりに、やるべきことをやろうとしているので、見ていてすがすがしいです。慈愛の精神にも富んでいますし、本当に素晴らしいと思います。
 最終的に、「人の生と死のある生き方」を獲得することができたディアナ。これまで本当にたいへんな人生でしたし、これからは穏やかに暮らして欲しいですね。ロランもいるので、生活をするのに苦労することはないでしょう。