∀ガンダム:第48話「ディアナ帰還」

 最終決戦のお膳立てとでもいうべき回です。見応えたっぷりでした。


 グエンがギンガナムを懐柔。ギンガナムの機嫌を損ねないようにしつつ、自分の思い通りの方向に持ち込もうとしています。なかなか見事な話術ですね。最終的に、ギンガナム隊とディアナ・カウンターをぶつけることに成功し、さらにホワイトドールをミリシャに返還してもらうことができました。これはすごいです。


 コレン・ナンダーがディアナの下に帰還。ホワイトドールの暴走の様子を報告し、そのままディアナの軍門に加わることになりました。これでディアナ側の戦力は大きく増強されます。コレンのパイロットとしての腕前は確かですからね。おまけに、戦略的知識にも富んでいるようで、暴走を始めるジョゼフを見て「これでは軍隊には勝てない」と憂慮するなどしています。コレンらしからぬ的確な指摘で、驚かされてしまいます。こんなに頼りになる男だったのでしょうか。


 スエッソンが、ソレイユのフィルに宣戦布告。フィルもギンガナム隊は嫌いのようで、いつも通りの尊大な態度でスエッソンに接しています。ポゥはポゥで、アスピーテを撃破すると鼻息が荒いです。これでは、ギンガナム隊といえども一筋縄ではいかないのではないでしょうか。ソレイユはバリア装置を備えるなど、戦艦としての優れた性能を有していますし、ウォドムやスモーを大量に保持しているので、ある意味ギンガナム隊をもしのぐかもしれません。ターンXさえいなければ…。


 ロラン、ジョゼフらが、ウィルゲムにやってきました。グエンはロランがやってきてご機嫌のようです。ジョゼフがグエンにくってかかりますが、グエンを言い負かすことは流石に不可能です。グエンとしては、ギンガナム隊は遅かれ早かれ地球にやってきて、ディアナ・カウンターごと地球を制圧することになるので、今のうちに懐柔しておいた方がいいということらしいです。確かに一理あります。
 フランは、ギンガナム隊は単独で地球におりてくることはなかったと主張しますが、闘争本能に火がついた今となっては、そのような希望的観測は楽観的すぎると反論されてしまいます。これまた一理あります。こうしてみると、ディアナの地球帰還作戦の功罪は大きいですね。まさに「触らぬ神に祟りなし」状態です。アグリッパを手放しに批判できない気がしてきました。
 ソシエとしては、グエンがギンガナムを制御できるかどうかはわからないのが心配らしいです。これまた一理あります。ディアナやアグリッパでさえ統制できませんでしたからね。いくらグエンの政治的手腕が優れているとは言っても、簡単に制御できるとは思えません。
 ただ、今となってはギンガナム隊がおとなしく演習ばかりしているとは考えられないので、グエンのした方法が現状では最良の方法ではないでしょうか。ギンガナム隊の戦力が強大なのは確かですしね。


 ディアナがコレンとともにソレイユに帰還。ポゥが早速発見して号泣開始。いつも通りのポゥで安心させられます。
 ディアナが帰ってくるやいなや、すんなり従うフィルとミラン。一度はディアナを暗殺しようとしていたのに、この変わり身の早さはどうしたことでしょうか。ホエールズで警戒していたキエルに、ディアナは「根はいい人たち」と諭していましたが、視聴者としてはどちらかといえばキエルの感覚に共感してしまいます。彼らはけっこう油断ならない存在だと思いますが…。闘争本能に一次的にとらわれていただけで、本質的には穏和ということなのでしょうか。真実はわかりませんが、とりあえず今は真剣に忠誠を誓っているようなので、ある程度信頼してもいいのかもしれません。