若者はなぜ3年で辞めるのか

 大学近くの古本屋さんで、200円で売っていたので買いました。


 年功序列制度が崩壊し、大企業に入社して安定的に昇級を重ねるということが困難になっているそうです。とすれば、大企業至上主義を根幹とする昭和的価値観は崩れ去り、今日では多様性を前提とした新たな価値観、つまり「平成的価値観」を重視しなければならないと説きます。
 確かに、会社の養分になって資本家を肥え太らせても、全然面白くありません。もちろん、給料という形でおこぼれにあずかることはできますが、それがこちらの提供する労務にみあったものなのかというと、疑問符がつきます。激務であることはもちろんのこと、仕事自体あまり楽しくなさそうなので、いくらお金をもらってもなぁ、という気もします。「労働は苦しいもの」という日本的発想の元、とりあえず苦労すれば立派という価値観がまかり通り、無用なストレスを加えられるおそれすらありそうです。先輩達も、きっとそのようなストレスにがんばって耐えてきたと思いますので、後輩にもこれを強要するでしょうしね。不幸は分かち合うもの!一見してとんでもない発想ですが、何重にもオブラートに包まれ、常識として許容されてしまうのが日本社会の大きな特徴です。


 いろいろ考えさせられる本でした。自己分析の一助となりそうです。


若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)